左一軸打法の5つの欠点を知れば、その効果は3倍になる。

左一軸打法

最近流行りの「左一軸打法」、この理論は私も大賛成です。
しかし、その理論を知っても効果が出ないゴルファーがいます。

  • ゴルフクラブを初めて握ったのが最近。
  • クラブやバットを振った経験があまりない。
  • ゴルフに限らず体重移動によってボールを投げたり打ったりする感覚が全くない。
  • 体重移動は全く必要なくなると思っている。

このようなゴルファーには「左一軸打法」を急に取り入れてもその効果はいまいち伝わらないことでしょう。

それは、左一軸打法の欠点を知らずにいきなりその理論を取り入れようとすることが大きな原因です。

このページではその欠点を理解し、その上で左一軸打法の効果を最大限に引き出す方法をお伝えしていきます。

左一軸打法の5つの欠点を知れば、その効果は3倍になる。

左一軸打法:欠点1「左一軸打法は相対的なスイング理論である」

左一軸打法は「今までとは違う」といった、他の理論との違いを前面に出した相対的な論調で語られています。
他のスイング理論で練習してきた人に対し、それを「矯正」するための新しい理論ということです。

ですから、その効果を実感するにはある程度のゴルフの経験が必要になってきます。
ゴルフ初心者がいきなり左一軸打法を学んだとしても、その意味が理解できないは当たり前のことなのです。

左一軸打法:欠点2「体重移動ができない人には向かない」

左一軸打法を「体重移動しないスイング」だと勘違いされることがよくあります。
しかし、スイング中に体重移動をしないなんてことはありえません。

バックスイングでは右側にダウンスイングでは左側に体重は必ず移ります。
証拠として、メジャーで活躍する選手のほとんどがバックスイング時に体重の80%が右足にかかるという調査結果があります。

従って、「体重移動は必要だ。」ということになりますし、自然とそうなるのです。
ですから、体重移動が上手くできない人はまず、大きく体重移動して打つ感覚を先に覚えた方がいいのです。

大切なことは「軸」です。
軸を固定することと、体重移動をしないことはイコールではありません。
「体重移動をしても軸はブレない」これが左一軸打法です。

左一軸打法:欠点3「2軸スイングのメリットはなくなる①」

2軸のスイングとは、バックスイング時の軸とインパクト時の軸の2つの軸をスイング中に作る打ち方です。
右側に体重と軸を移し、インパクト時にアドレスの位置に軸を戻すスイングです。

これは非力な女性ゴルファーやジュニアゴルファーに多く見られるスイングで、クラブの重さを体全体でカバーする打ち方です。
また、しっかり芯を捉えることができれば遠心力に大きな体重移動が加わることによって飛距離を稼げるスイングでもあるのです。
ですから、腰から上の上半身のパワーが少ない人にとっては「便利」な打ち方だったわけです。

2軸スイングでの最大飛距離と1軸スイングでの最大飛距離では、2軸の方に軍配が上がる可能性があります。
ただし、左一軸スイングは圧倒的にインパクトゾーンが安定しますので平均飛距離は間違いなく上がることでしょう。

左一軸打法:欠点4「2軸スイングのメリットはなくなる②」

2軸スイングのメリットのもう一つは「インパクトゾーンが長い」ということです。
ただし、その打ち方で熟練したゴルファーに限ります。

現在は一軸にしたタイガーウッズ選手ですが、以前は2軸のスイングをしていました。
ご存知の方も多いでしょうが、あのごっそりターフを取っていたころのタイガーです。

ごっそりターフが取れるということは、インパクトゾーンが長い証拠です。
インパクトゾーンが長いと「方向性が良くなる」「インテンショナルフック/スライスがコントロールしやすい」「スピン量をコントロールしやすい」などのメリットがあります。
以前のタイガーウッズ選手は「ドライバーで林の中に入っても、そこから大きなスライスやフックでグリーンオン」といった神業を披露してきましたが、それはインパクトゾーンの長いスイングだったからです。

1軸スイングは2軸スイングに比べインパクトゾーンは短くなりますので、上記のような2軸スイングのメリットは減ることになります。
しかし、左一軸打法の最大のメリットは安定したショットの再現性にあります。

タイガーウッズ選手が現在一軸スイングに変更した理由は「ミスをカバーするスイングより、ミスを起こさないスイング」を選んだからです。

左一軸打法:欠点5「あまりにシンプルすぎる」

左一軸打法はあまりにもシンプルです。
実際に打ってみるとお分かりいただけると思いますが、「これでけでいいの?たしかにボールはまっすぐ飛んでいるけど・・・」といった感想を抱かれるはずです。

ゴルフは少ないスコアでラウンドすることを目的としたスポーツです。
しかし、その他にも醍醐味はあるのではないでしょうか。

「練習してきた成果が出る喜び」
「ライバルとの僅差の戦い」
「思い通りショットが打てた喜び」

などです。

しかし、この左一軸打法はあまりにも簡単にまっすぐな球を打てるようになってしまうのです。
そこに、「苦労」や「鍛錬」といった美学が感じられないほどシンプルで習得しやすいスイング理論なのです。

私は「我流でここまできた」というゴルフのもう一つの醍醐味を捨てられない方には、つまらないスイング理論かも知れません。

しかし、スコアはほぼ必ず伸びると言ってもよいでしょう。詳しくは一軸スイング理論をわかりやすく解説した「究極リズムシンクロ打法」をご覧ください。

左一軸打法の5つの欠点:まとめ

  • 左一軸打法は相対的なスイング理論である
  • 体重移動ができない人には向かない
  • 2軸スイングのメリットはなくなる(体重でカバーする)
  • 2軸スイングのメリットはなくなる(インパクトゾーンの長さ)
  • あまりにシンプルすぎる

左一軸打法の欠点を理解することで、本当の左一軸打法のメリットが現れます。

しかし、実は私はこの左一軸打法をそこまでおすすめしていません。
なぜなら、あまりにスイング法だけに頼ったゴルフ理論だからです。

ゴルフはまっすぐ飛ばすだけでいいスコアが出るとは限らないスポーツです。どうすれば曲がるのか、どうすれば飛距離が出るのか、どうすれば安定したスイングを手にいれることができるのか・・・。

こういった基本的なことを早い段階で広く知っておく必要があるのです。

基本をしっかり学んでおきたい方は、あえて「80の壁」80台と70台のゴルフの違いを参考にすることが近道かもしれません。